謝々!チャイニーズ (文春文庫 ほ 11-3)
星野 博美 / 文藝春秋
1966年生まれの筆者が、20代後半に中国南部を旅した見聞録。
面白かった。・・・がしかし、身内や友人がこの人と同じことをしようとしたら、間違いなく全力で阻止するだろう。
若い日本人女性が、「地球の歩き方」に載ってない場所を一人旅し、旅先で出会った人の家に次々遊びに行って、ご飯はご馳走になるわ、身の上話は聞くわ、昼寝までしてしまう。
こんな無謀な取材をして無事なのは、この筆者の人柄によるところが大きいのかも。
なんというか・・・とっても素直、無防備、オープン。そして義理堅くてやさしい。
何より、彼女は中国が大好きなのだ。
この本は、筆者から中国へのラブレターとも言える。
中国人の人懐こさ、物見高さが面白おかしく書かれている一方で、こんな記述も。
「
ここの商売の鉄則は、客にいかに悪いものを掴ませ利益を上げるか、だ」
これには膝を打った。
これが中国のビジネスの姿勢か~、と(笑)。CSなんて関係ないわけね。
筆者は、中国では生きる=戦う ことだと言う。
ひるがえって日本では、
「根拠のない信用を盲目的に受け入れ、判断力を失っている」
異国に出ると、自分の国のことがかえってよく分かったりする。
同じ作者の次の本
転がる香港に苔は生えない (文春文庫)
星野 博美 / / 文藝春秋
ISBN : 4167717077
これもこれから読む予定。
・・・ここまで書いて思い出したのだが、私も旅先で知らない人の車に乗せてもらったこと(←しかもNYCの治安の悪いところとか)や、食事をご馳走になったこと、ありました(爆)
無事でよかった。